高知高専を中退してクックパッドに入社します。

似たような記事タイトルを見たことがあるけど、そんな感じで書こうと思います。

2016年3月31日に高知工業高等専門学校を退学して、明日の朝クックパッドに内定者アルバイトとして初めて出勤します。

4年生で中退して第3学年修了証書を発行してもらったので、最終学歴は高卒程度となるようです。

この記事は近況報告と何のために高専を中退して新生活をスタートさせたのか目的意識をより明確にするために書きます。

なぜ高知高専を選んだか

はじめは高専について全く知らなかったけど、高知高専への入学を希望していた同級生の話から高知高専の存在を知り、進路に迷っていたところ担任と両親の勧めによって高専に入学することを検討しはじめました。入試が楽だったのとコンピューターとインターネットが大好きだったのでソフトウェアを開発技術を学びたくて入学を決めました。

1年生

入学してすぐにロボット研究部に入部しました。ロボット研究部では先輩がプログラミングや電気回路の基礎を熱心に指導してくだっていた上に資源が豊富にあったので、技術が好きになるための、あるいはモノ作りにのめり込む為の環境がそろっていて最高の環境でした。1年生は下積み作業も多かったですが、高専ロボコンに出場するロボット開発に関われて本当に楽しかったし、オフシーズンは豊富な資源を使って好きなものを自由に作れたので部活が何より楽しかったです。

住んでいた寮ではパソコンが持ち込めなかったり、就寝時間が早すぎたり、風呂に入れる時間も短かったりしてとにかく制限が多く豚箱のようでした。

入学時からの高専に対するイメージは、就職氷河期の話をよく聞いていたので就職活動に対する負のイメージが強くあり、大学生と違って高専を卒業したら安定した未来が約束されている恵まれた環境なんだと思ってました。

2年生

ようやくプログラミング(C言語)の授業が始まるも授業の進行が遅すぎて独学の範疇から先に行けず、期待外れな感じでした。

部活では新しい仲間も増え、先輩から教わったように自分も指導してました。夏はロボコンでの責任領域も増えてロボコンで動かすロボット一台の回路を作りました。

春休み頃には、ソフトウェア系の開発技術の知見を得たかったのと他高専の学生エンジニア達のレベルが知りたかったので「高専ベンチャーの春のインターン」という、ベンチャー企業を見学してチームでアプリケーションを開発をするイベントに参加しました。そのイベントにはしっかりと将来を見据えている上に高い技術力をもったイケイケ情報系高専生と、ITベンチャーで働くイケイケエンジニア達がいて、ソフトウェアエンジニアになりたいと明確に意識するようになりました。そのイベントで企業の開発するWEBアプリケーションやネイティブアプリの裏側にRailsを採用している例をいくつか聞いて、無料ではじめられることからRubyを使ったWEBアプリケーション開発を学び始めるようになりました。

3年生

このころやっとラップトップを持ち込めるようになり、普段の生活の中で得られる情報量も一気に増えました。

部活に行かなくなって、Rails本を買ってRails開発の勉強をしてました。手持ちのWindowsマシンに開発環境の構築をするのに1ヶ月かかったりしてました。gitはチーム開発に欠かせないツールだと聞いていたので、とりあえず使い方を覚えようとしてひたすら練習してました。

夏はまた東京に出て良い経験を得たいと思い高専ベンチャーの夏のインターンに参加しました。

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高専ベンチャーの夏のインターンではCakePHPを使って社内ツールの開発をしてました。そこでは同い年の学生エンジニアと出会い、彼にコードの書き方とか技術学習の話とか、技術のいろはを教わりました。

プログラミングの授業は前期で終わり、結局純粋な情報系の授業といえばこれっきりで、他は回路に流れる電流や合成抵抗の計算の仕方を勉強していました。入学時は3年生にもなればコンピューターに詳しくてプログラミングもバリバリできる人間に勝手になっているものと思っていたので授業に対する不満も溜まってました。

春休み前には企業の中でコードを書いて実力と経験を積みたいという気持ちが高まっていたので、ググッてヒットした何社かに空っぽのgithubアカウントを添えてメール送ったり、エンジニアインターンというサイトを利用して何社もアルバイトやインターン申し込みました。技術力不足で何社も断られたりしましたが、エンジニアインターンで紹介していただいたうち1社(appArray株式会社)でリモートワークをさせてもらえることになりました。

スキルも知識も経験もなかった僕にメンターが付き、メンターのサポートを受けながら1つのプロダクトを開発するという経験は非常に良い経験でした。

4年生

4年は過去の比にならないほど東京に出てました。勉強会やハッカソンインターンに行くと成長に繋がる知見が多く得られると考え、よりアクティブになってました。

3年から授業に対する不満は溜まり続けていた上、未経験からエンジニアとして就職した例みたいなものをインターネットや参加したイベントを通じて見聞きしてきたので、春頃には中退してオフィスで働きながら経験を積むのも良い選択肢なのではと考えるようになってました。

5月にはジースタイラスの逆求人に参加しました。これが僕にとって初めての就職活動でした。これから合計4回ほど逆求人イベントに参加しました。

igu.hatenablog.com

その後6月、7月ごろはハッカソンとか勉強会に行ってました。おかげで毎月高知から関東や関西に行くような習慣がついてしまいました。アルバイト代は交通費と宿泊費で綺麗に無くなってました。

夏は長期休暇を1週間ほどオーバーしながらギークハウス神田秋葉原に2ヶ月ほど入居して、2社ほど有給インターンに行ってました。

インターンでは1社目は前から働いていたappArray株式会社で1ヶ月間iOSアプリのバックエンドを開発し、2社目は逆求人で知り会った株式会社Speeeで3週間ほど社内ツールの開発をしてました。

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インターンでは技術以上にビジネスマンとしての自分に足りない多くのものを教わったと思っています。インターンを通して初めて自分の振る舞いを見直すようになったし、人と話す時にどうすれば相手により伝わりやすいように話せるかを考えながら話すようになりました。

冬休みには株式会社エイチームの2daysの課題解決インターン(ハッカソン)に参加して、2位と個人賞を受賞しました。

中退を決めるまで

辞めることを決めたのは、冬休みを開けて直ぐでした。退学すると言い始めた時は両親共に反対していて、何度も自分の将来について話して説得しました。

前述したように入学して学びたかった情報系の学習は授業の中ではできず、学年が上がるにつれて入学した時のやりたかった事と離れていく授業内容に不満は溜まりっぱなしで、Twitterで観測している情報系の学生達が時折する授業内容を言及したツイートをうらやましいなと思いながら読んでいました。

ソフトウェアエンジニアになると決めている自分にとって学校に通う理由を見出せず、そこにお金がかかることを考えると学校に通うことのマイナス面が大きく感じました。

過去のインターンやアルバイトの経験から、オフィスで働きながら技術を学ぶほうがモチベーションを高く保ち、自分をエンジニアとして、社会人として成長させることができると考えています。

就職活動

就職活動は4年になってすぐから始めていて、主にジースタイラスさんの逆求人イベントを利用しておりました。

全部で5社程エントリーしました。内4社が逆求人経由で、あと1社はその企業採用ページからエントリーしました。そして、頂いた内定の中からクックパッドを選びました。

僕が何故クックパッドを選んだかというと、目指したい自分になるための一番の近道だと感じたからです。

僕は、テクノロジーを通じて多くの人々の生活をより良く変えられるエンジニアになりたいと考えています。例えば多くのエンジニアにとって困難な技術的に課題を解決できるエンジニアであったり、OSSやそのコミュニティに貢献することで他のエンジニアの開発を加速させられるようなエンジニアになりたいと考えてます。

クックパッドRubyというプログラミング言語をはじめOSSに貢献しているエンジニアや外部の勉強会等で登壇して情報を発信しているエンジニアが多数在籍していて国内でもトップクラスの技術力を持った企業で、そんな僕のロールモデルとなるような高い技術力をもったエンジニアと働くことで技術力を高めていきたいと思いクックパッドに入社することを決めました。

終わりに

先週から一人暮らしをはじめて東京都民になってます。食費を抑えるためにクックパッドでレシピを調べて自炊して、掃除して洗濯して生活しています。

もし、掃除機とかアイロンとかアイロン台が余っていましたら譲って頂けると助かります!

追記

2016年8月1日より、正社員としてクックパッドの広告開発部で働くことになりました。